天正18年5月17日 岩城常隆書状

きっと脚力をもって申し届け候。御上洛御留守中御大儀、是非に及ばず候。さりながらもちろん御油断無き事、専純に候。されば松本宗味を御使となし、石田治部少輔殿より、このごとく御状預かり候。一昨15(日)到着候。御披見のため写しを進じ候。今17(日)、相馬へ当方より上洛の儀、相へ意見せしむべきよし御意の上差し越す使者候。先だって当方より相へ当方に通用の儀、相止むべくの段承り候。重ねてその儀なく候き。しかりといえども殿下の事に候間、了見に及ばず通用せしめ候。毛頭異義あらず候。この段申し届くべくなし候までに、これを啓し候。参陣の儀、当方へも仰せ下され候条、近日罷り登り候。当方境中相違なきよう、頼みいるばかりに候。委細当方にも御参上の上、御陣において申し述ぶべく候。恐々謹言

(天正18年)5月17日   常隆 花押
二本松殿

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